眠れない夜
この部屋を覆う
灰色の光
ひび割れた世界
螺旋を描いて
踊る羽根を操る糸
鳴り止まない虚しさと
闇を切り裂いて煌めく残像
朝を待つたび
わからなくなるの
確かなものなどないのだとしても
導いてくれる
何かを求めてしまうわ
蒼ざめてゆく心を
優しく灯す魔法があるならいいのに
瞬きをするだけで
ひたすらに失せてゆく
熱を取り戻せるのならば
術があるのなら
突き放したっていいわ
盲目な願いなど
だけど怖いの
何もかもが見せかけだと知るのは
夢を見るたび
わからなくなるの