いろはにほへと ちりぬるを
そぉっと頬撫でる風
初々しく踊る若緑
甘く澄んだ香りも
春の使いもみんな
陽気であろうと務めども
空は孤独
春は息を吹き返して
きみを呼んでいるのに
花冷えにさらわれる君を
引き止めることも叶わず佇む
桜の約束果たさぬまま
どうして君はひとり
散った
濁った視線の先
渦巻く花びら達はまるで
塞き止められた心
代弁するかのごとく
「命は儚くそれ故美しい」
慰めなど意味を持たず
どうか黙って
嵐に打ちのめされようと
舞い続けることしか知らない君
吸い込まれそうな澄んだ瞳
あゝ僕の道しるべ
手に残る君の温もりも
遊び心満点な君の音も
甘酸っぱいくしゃくしゃの顔も
永遠に心溢れ
咲く