この日々をまた進める道理
心の機微をただ見透かせるように
かつて放った言葉は今や宙を舞ったから
束にして貴方に飾りたいんだ
通りを歩く人波に 似た顔はもう見えないし
本当は俺も人並みになりたかったんだけれど
指定口座に振り込む電気代 日々は綱渡り 歩く平均台
何も均されない国では成されるものもたかが知れてると
望む音が鳴らされないからって情けない
或いは美しく咲く花壇にこの街の息遣いを感じて
その一呼吸を切り裂く誰かの鼻歌に幸福とは何かって聞いた
喜ぼうと鏡の前で笑うふりをしたことを
愛情と呼ぶ催眠術に罹ってみたのは
対等でいたいからさ お前と
響く雑踏を独歩しなくたって構わない 少しは
一時の静寂を越え二つ目の活路へ
摩天楼突き刺す雲のなかで雷と相成って満つシンジュク晴天
幼気な感覚と肢体 社会制度と末端の期待
半額のシールが貼られるまで立ち尽くすスーツの実態
不明瞭で猥雑な音像は例えば 眠りたいみたいな歌
夜毎油差す歯車の軋みも明日へ向かうロンド
もう叫ばずとも
掻き消したかった音は俺の心拍音が刻んでしまってビート
また明日にはスーツに袖を通し
ネクタイを締め 靴紐を結ぶ 言葉を音に乗せる
喜ぼうと鏡の前で笑うふりをしたことを
愛情と呼ぶ催眠術に罹ってみたのは
対等でいたいからさ お前と
響く雑踏を独歩しなくたって構わない 少しは
この日々をまた進める道理
心の機微をただ見透かせるように
かつて放った言葉は今や宙を舞ったから
束にして貴方に