Saturday
鮮やかに揺れた
髪の奥に動く黒がふたつ
僕を覗き込むそれは
この世のものとは思えないのさ
二つ年上の君だから
浅はかなこの想いなどは
見抜いてしまうような気がして
ひたむきに嘘を重ねたよ
でもなんで 収まらなくて
期待したって 辛いだけだ
多く塗りすぎたアンバーを
薄く伸ばして微笑むの
そんな何気ない仕草が
僕の瞼の裏で落ち着かない
君を思い出す度にほら
外に出たいとざわめくの
僕の中の嘘つき猛獣が
今夜も僕を落ち着けない
今夜も僕を落ち着けない
Monday
となりで働く
いつもの君が
纏っていない香り
君が吸わない煙草の
香りがしたら
君からしたら
仕事も手につかないのさ
どこの誰の移り香なのさ
おじさんが電車の中で
君の身体に馴染ませた
ものだって分かっているって
今日の僕は騙すのが下手だ
多く塗りすぎたアンバーを
薄く伸ばして微笑むの
その微笑みは誰のものなの
気になり僕を落ち着けない
君を思い出す度にほら
ココが痛いとざわめくの
胸の少し下の痛みが
今夜も僕を落ち着けない
今夜も僕を落ち着けない
琥珀に閉じ込められている
浅はかな僕の猛獣は
現在を壊す勇気などなく
名ばかりのものとなりました
でもだって仕方ないって
「黒」を見つめて言えるはずもない
多く塗りすぎたアンバーを
薄く伸ばして微笑むの
そんな無防備な姿は
誰の前でも見せるものなのかい
君を思い出す度にほら
僕だけの記憶が暴れるの
こんなに僕だけの君がいるのに
今夜も僕を落ち着けない
今夜も希望を捨て去れないんだよ